こんなんでいいのぉっ!?
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そらはいつでもそこにあるのに。(後編)

古い、鉄製の扉は、静かに開けてもぎぃ。。。と鈍い音を立てる。


キッチンへの扉が開いて、無言の彼が入ってきた。



顔を赤黒く、瞳孔が開いている。

『おかえり』を言おうとしたが、何も言えなくなる程の恐怖を感じた。
怒り、呆れ、蔑み、哀れみ。
様々な感情が交じり合った表情。


それでも負けじと話しかけようとした私に、
彼は勢いよく近付いてきた。



『お前。。。自分が何やったかわかってんのか。。。?』

引きつった顔で、私の首をそこそこ強く絞めながら、彼は問う。
答えようにも答えられないほどの力。
暫く見つめ合っていたが、苦しくて涙が出てきた。


おもむろに私を畳の部屋へ突き飛ばすと、荷物をまとめ始めた。

『お前、今すぐ出てけ。』



頭が真っ白だった。

そりゃ、悪いのは私だ。
人の携帯勝手に見て、勝手に元カノに連絡取って、
私が仮に逆の事されたってそりゃキレると思う。

でもそんな私にしたのは誰?
貴方しか居ないようにさせたのは、紛れも無い貴方のせい。
彼女とだって、何話したか聞いたの?聞いてくれないの?
私は自分が幸せだとか自慢したわけじゃない。
むしろ謝罪して、余計なお世話だけど今後の貴方を心配して、
そして私はこの世界から消える予定だった。。。!

。。。こんなことになると思わなかった。


彼はどんどん私の荷物をまとめている。
服も、漫画も、日用品も何もかも。

これを片付けられたら、私はここに居られなくなってしまう。
必死で彼の手を止めようとしたが、何度も力強く振り払われてしまった。
まとめた荷物が入っている紙袋を、またひっくり返したりもした。
『そうゆうことするなら、いらないとみなして全部捨てるよ?』
行動でどうにかしてもダメだと思った。


片付けている彼に、私は泣いてすがった。
そして、蹴られたり跳ね飛ばされたりしても、
何度も号泣しながら土下座した。

『本当にごめんなさい!
でも詳しく聞かないで、一方的に終わらせようとしないで!!
お願いだから私の話を聞いてください!!』

みっともなくてもいい。
許されなくて良い。
大声で泣きながら話して苦情が来ても謝ればいい。
あんなに毎晩語り合った、彼ならきっと話を聞いてくれる。
ここで引き下がったら絶対後悔する。
本当に欲しい、大事な人を、努力せず自分から手放すなんて出来ない。


淡々と部屋に荷物がまとめられ、大分片付いた頃。
彼も少し冷静になったようで、私の前でしゃがみこんでくれた。
ぽつぽつと語る私を、彼は静かに怒りを蓄えた眼で真っ直ぐ見ていた。

泣くのをこらえながら、震えながら、
まず彼女と話した内容を細かく伝えた。
何だったら今すぐでも後日でも、彼女に確認してもらってもかまわないと言った。

それから、最近の自分の心境、こうなった経緯、
様々な謝罪、そしてこれから自分の悪いところを正すから、
まだ一緒に居て欲しいと懇願した。

彼は面白いくらいに冷たかった。
殆どずっと黙って聞いていた彼は、
少し笑いながら『もう無理だよ。遅すぎるよ。』と言った。

実際はもっと長々と同じやり取りのような事があって。
彼女にしてしまったことへの事の大きさを知らされ、
私の話す事に対して、解りづらい所は聞かれたりしながら進んだ。


自分の言いたい事をやっと、はっきり言えた気がした。
ずっと彼に嫌われたくなくて、言えなかった事もたくさんあったから。
吐き出してすっきりしたからとは思って無いけど、
話しながら自分の気持ちを整理しているうちに、
『あぁ、何かもうホントにこれで終わりなんだな』と悟った気がした。


彼に、合鍵を返して欲しいと言われた。
返したら全てが終わりそうで怖かった。
返しにくく渋っている私に、彼は話し始めた。

『前世とか、輪廻転生とか信じてる?』

『私は。。。信じてるよ。』

『。。。俺は信じてない。
でも、この世には縁はあると思う。
お前は自分を変えるって言った。
俺は実際、ちゃんと自分を変えた、変わった人間を見てる。
その人は自分を変えるのに5年かかった。
久しぶりに会った時、こんなにも人は変わる事が出来るのかって驚いた。
お前も本当に変わろうと思うなら、出来ると思う。
もしかしたら、変わってもすぐには会えないかもしれない。
お互い、何か他のことをしてるかもしれない。
でも、本当にお前と俺に縁があるなら、
5年先でも10年でも20年でも、いつかまた会えると思うよ。』

『そうだね。。。
こうやって、出会って、付き合ったのも理由があると思うし。
もし会えるようになって、どこにいるかわからなかったら、
探偵でも何でも自分で探して会いに行くよ。
私は、必ず、また会えるって信じてるから。』


希望をもらった気がした。
彼の本質の優しさに触れた気分だった。
人を中々信用できない私たちが、
繋がっていたからこそ、出来る話だったんじゃないだろうか。

私は、キーケースから鍵を外し、渡した。
そして、ありがとうとまた少し泣いてしまった。

その時は結構2人して落ち着いていたように思える。
彼は本棚から1冊の本をくれた。
広く大きい心を持てるように、諭すような本だった。


キッチンには、すっかり冷めてしまったハンバーグがあった。
もったいないので食べてから帰ることにした。
いつものように彼は私の隣に座っている。
私は時間と、思い出と、この今を噛み締めるように食べた。
苦しくて喉を中々通らなかったけど、
少しでも一緒に居たかった。
彼は横で私にくれた本を読みながら、簡単に解説してくれた。
ハンバーグは食べないというので、とりあえずラップをかけておいた。
いらないなら後で捨てておいてと伝えたが、
あの料理たちがどうなったのかは今でも知らない。
何で、今までこんな時間がたくさんあったのに、
私は自分から壊すようなことをしてしまったんだろう。
いつも彼はきれいに私の料理を食べてくれていたのに。



荷物は、7人乗りの彼の車の後部座席に、
いっぱいになるほどだった。
よくもまぁ、こんなに持ち込んだなwと笑われてしまった。

実家へ送ってもらう約1時間、大して会話はしなかった。
静かに、タバコを吸いながら音楽を聴いていた。
好きな曲をたくさん入れたこの車。
きっと今までこの助手席には、1番私が乗ってる、彼の車。
何だか無性に悔しくなってきて、
私の歌声が好きだと言った彼にわざと聞かせるように、けど控えめに歌った。
車に乗る度、この曲を聴く度、私を思い出してしまえばいいのに。
そうして忘れられなくなって、
いつまでもいつまでも彼の中に私が残ってしまえばいいのに。

そのうち、ラルクの『虹』が流れた。
歌詞とメロディと心情と情景と、何もかもがリンクして、
私は静かに、悟られないように涙を流した。




惜しい時ほど、流れる時間は早い。
いつの間にか、実家に着いてしまった。

降りるに。。。降りれない。
彼をまたいつ、こんな近くで見られるかわからない。
動けずに居ると、『降りないの?』と促されてしまった。

せっせと荷物を運び出し、彼だけ、車に乗り込んだ。
風は無いものの、深夜は冷え込んでいて、
もうこれからは1人で温まるしかないのだ。

『またちゃんと会えるんだから、またね!』
確信の無い『いつか』に、そういう風にしか言えなかった。
また会える『明日』はもう無い。
何も心配せず、解散するのはそれだけで幸せな事だった。
それこそ、もう遅い。
苦笑しながら彼は『じゃあね』と言って帰っていった。

私は驚いて泣いた。

やっぱりそんな彼が好きだ。



私は、メールでも会ってても、人に『バイバイ』と言われるのが嫌いだ。
1度彼に何気なく言われて、結構怒った事がある。
『バイバイ』って言われると、もう2度と会えないような、突き放された感じがする。
どうでもいいような、捨てられたような。
疎遠な人や、もう会わないような人に言われるのは大丈夫だけど、
良く会うような近しい人には言われたくないと。
だから、それから彼は私にそう言わなくなった。

今もだ。


私の気持ちに最後まで応えてくれた。


あぁもう。。。ありがとう。


すごい大事。


そうしていつまでも、私の心を乱すのが上手いんだ。ばか。









暫くは、別れた事実を受け入れるのに精一杯でした。
仕事に専念して、終わったら飲んだり遊び歩きまくって。
ヤケで体壊すんじゃないかって一部には心配されてました。
そんな私が、多分思いの外順調に、早く回復出来たのは、
きっと今の彼氏が私を受け入れ、救ってくれたからなのでしょう。

それはまた別のお話www

長文読んで下さった皆様、ありがとうございました。

そらはいつでもそこにあるのに。(中編)

朝日は目に沁みる。
目の色素が若干人より薄い私は尚更だ。

相変わらず薄着で、布団で少し寝転んだ後、
私は書きかけの遺書たちに想いを込めていく。

こんな時、今まで自分がどんなに色々な人にお世話になったか、
そしてたくさん迷惑をかけ、
場合によっては人の気持ちを傷つけてきたかを実感する。

今まで自分の人生に、書いている1人1人がどう関わってきたか。
思い返しながら書いていたら、意外と時間がかかってしまった。


タバコの煙が、差し込む光に当たって、
ゆらゆらと漂っている。

それをぼーっと眺めながら思い出すのだ。




そんな作業をしていると、メールが来た。


彼女からだった。



冷たくなった手で、携帯を開く。
午前の日の光は、画面を暗く感じさせる。

意外と冷静に、読むことが出来た。




こんな立場のこんな私を、

彼女は心配してくれた。

小さな嘘を含めたそのメールは、

私の心に暖かく刺さった。



今となっては、どんな複雑な気持ちでそんな風に送ってくれたのかはわからない。
そしてその時の私もおかしかったので、
彼女にお礼と、『今お電話大丈夫ですか?』と送ったのだ。

『はい、いいですよ』ときた返事に対し、
私はすぐに電話をかけた。


受け答えた声は、女の私から聞いても、
とても可愛らしい声だった。
媚びるような甘ったるさではなく、
例えるならお姉さんのような、暖かい声だった。


軽く自己紹介をして、謝罪した。

このように不躾に連絡を取ったこと、
立場をわきまえず、お願いをしたこと。
彼と。。。こじれてしまったこと。

あまり詳しく書きたくないので大体だけれど、
話が進むうちに、何でこうなってしまったとか、
お互いどんな風に知り合ったとか、今はどんな状況だとか、
はたまた彼のいいところ、悪いところを、
彼女目線(付き合っている者同士という意味)で話したりもした。


1つ1つの話を『うん。。。うん。。。』と優しく聞いてくれた。

何時間話したか覚えていないが、
ずっと付き合ってくれた。

色々な話をした。
そして私を気にかけてくれて、
そのたびに謝ったりもした。

時間がたつにつれ、本当かどうかわからないけど、
お互い笑って話せたりもした。

どうやって切ったかもよく覚えていない。
ただ社交辞令として、また話しましょうみたいな、
永遠に無いであろう約束をしたりした。
そして、私が連絡したことは彼に黙っていて欲しいとお願いした。



思い直そうという気持ちを私にくれたのは、
紛れもない彼女のおかげだ。

もしここで話すことが無ければ、私は多分色々あきらめていたと思うし、
命の恩人と言っても過言ではない。






気付くと、昼もとっくに過ぎた時間だった。

彼女から、気分転換に散歩に出たら?と言われたのだが、
体が重くて動けなかった。


しばらく休んでいると、彼女からメールが来た。
彼から電話とメールがあったという報告だった。

電話には出れなかったが、
メールには彼から謝罪の言葉があったという。

2人で話あって下さいと返しました。と。


怖くなった。
彼がこのことを知ったらどう思うかなんて、
私の狂った頭では考えずに行動してしまったから。

まだこの時の私も判断が鈍っていたようで。
彼女からこのように連絡が来たからには、
今夜は仕事を終え、帰ってくるのではないかと思ったから。

それを希望と受け取ったのだ。



どんな風に出迎えよう。
とりあえず、彼が知ってしまった今、
私は謝ることから始めなければ。

話し合いはきっと長くなる。
お腹も空いているだろうから、ハンバーグでも作ろう。

そして私は買い物へ行き、支度を始めた。

彼が帰ってくるまでに、作らなきゃ。


怖い気持ちでいっぱいになりながら。
明日のことなど考えられずに。

勝手に思い出を貪る頭を落ち着かせながら、
精一杯の想いを込めて、私は料理していた。




何の連絡も無く、家の冷たい扉が開いた。

その時私は、初めて見る彼の表情に出会ったんだ。






つづく。


そらはいつでもそこにあるのに。(前編)

みなさま、お久しぶりです。
まぁです。


前回の日記に書いていた彼とは、11月11日(12日?)でお別れしました。
何とまぁ、最後は酷かったwww
今は詳細を事細かには書けなくなってるので、軽く?ちょっとだけ書きます。





あれから数日間、苦しくて苦しくてたまらなかった。

何をしていても彼の事を考えてしまって、
今まで彼が見ていた私なんて、欠片しか無いほどに悪化していた。

別れの前日、仕事をしていても手につかず、
精神が安定しなくて、すべてが無くなればいいのにと思った。
そして、こんな時にもお客様に笑いかけられる自分に腹が立った。
そんな日に限って、よく売れたり、なじみのお客様が来たりする。
走馬灯のように思った。
このタイミングで会えるなんて、何かを諭してるんじゃないかって。
店の中で、自分が壊れているのに気づいた。。。

よく考えれば、自分が動いて居られるだけの最低限の食事しか摂取してなかった気がする。


その日、仕事を終え、彼の家に帰った。

連絡をしても返って来ないのは日常的になってしまっていたので、
疑いなく、居ると思ったんだ。


出迎えたのは、静かで、少し寒い暗い部屋だった。


無駄に心配になって、電話をした。
彼は出ない。


服をほとんど脱いで、布団に寝転ぶ。
ひんやりしているような、暖かいような。

泣いている気がして、天井を向いたら、
何度も彼に愛された時の天井だった。
あれは夢だったのかな。。。
1人だからじゃない、この孤独感。
ここで、自分をしめくくる覚悟が出来た。


左手を見つめながら、明日休みの職場の子に電話をする。
今日の様子を身近に見ていた子なので、いたく心配してくれた。
休みを変わってもらうことにした。
色々を含めた御礼を伝えて、切った。

これで、時間は無限のものになったんだ。


ふと、布団の横を見ると、彼の携帯があった。
正確には、数日前に新しいものに換えたので、
それまで使っていた携帯があった。

電源が入っているそれに、私は手を伸ばし、
彼のお兄さんの番号を探した。

夜中のいい時間だったが、お兄さんは眠そうに電話に出てくれた。
知らない番号からなので、疑われながらも、自己紹介する。
お兄さんが居る彼の実家に、彼は居ないようだった。

電話を切る直前に、私から電話があったことを伏せてほしいとお願いしておいた。


1度こんな風に電話してしまうと、何かが切れた。
元々イカれた頭で考えるもんだから、尚更だ。


そしてまた、電話帳を見る。
あった。

彼との繋がりを作った、彼女の番号。



鼓動が早くなる。



電話をかけると、留守電になってしまった。

もう1度電話帳を見て、メアドを探す。
そして、こんな感じの内容を送った。




初めまして。
いきなりご連絡してすみません。
彼とお付き合いさせていただいている、まぁです。

私のせいで、彼とうまくいかなくなってしまいました。
あなたからいただいた大事な時間を、
こんな結果にしてしまってごめんなさい。

私はもう、自分を終わらせようと思います。

彼のそばに居ることが出来ないので、
もし今後彼に何かあった時や、苦しんでいる時は、
どうか彼の力になってあげて下さい。
助けてあげて下さい。

よろしくお願いいたします。
彼との時間を私に与えてくれて、ありがとうございました。




そして、私の友達にもメールした。
お礼と、ごめんねを込めて。


朝が来たら、このペアリングを横浜の海に還してこよう。

彼のペアリングも持って。

そして、自分も一緒に還ろう。



朝が来るまでの時間、私は白いただの紙に、
泣きながらいろんな人へ遺書を書いた。

遺書と言うより、お礼の手紙が多かったような気がする。

思い出を手繰って、想いを込めて。


そうして、私は泣き疲れて、いつの間にか寝てしまっていたんだ。




冷たくて長い、朝日のきれいな1日が明けた。




つづく。




この世の限り。(後編)

※この話は後編です。前編・中編もありますので、最後にご覧下さい。




最寄り駅まで、久しぶりに歩いた。
ライターの付きが悪い。
朝の寒さが体を包む。
清々しいほどに、空は雲も無く澄んでいた。
日光は暖かく、その光はいつも私を溶かそうとする。
荒々しい運転の車、運動部と思われる学生たち。
見える範囲の人たちにも、それぞれの朝がある。
なぜ私は、自分から辛い思いをしに向かっているんだろう。

車内は空いていて、どの乗換えでも座ることが出来た。
頭とお腹が痛くて、でも頭は色々な感情を処理しようと必死に動いていた。

気が着くと、貴方の家の最寄り駅に着いた。
ここも、学生が多かった。

10~15分歩く。
またもライターはすぐに反応してくれない。
前を歩く老夫婦の仲睦まじさに、羨ましさと嫉妬を感じる。
団地はすでに、ゴミを忙しく出している人が多く居た。
しばらくすると貴方の家が見えてきて、
居るのか居ないのかも分からなかった。


部屋に入って、居ない事を知る。
少し待っても、メールをしても何も反応は無い。
仕事が終わってる時間のはずなのに。

静かで寒い、見慣れた部屋で、転がって帰りを待つ。
私が来なくなってから、あまり様子は変わっていない。
嬉しくもあり、不安も膨らんだ。
この間の記念日に渡したプレゼントが、
紙袋に入ったまま未開封のようだったから。


メールをしてから10分くらい経っただろうか。
貴方がスーパーのビニール袋を持って、帰ってきた。
遅かったのはこれが原因だったのか。
玄関から私に気付くと、何も言わずすぐに目線を外された。
荷物を置いて、外にゴミを捨てに行った様だった。
ただそれだけの行為で、私はとても怖くなる。

『戻ってきたら何を言われるのだろう』

玄関からまた戻ってきても、顔を合わせないように、
そちらに背を向けるように座り込んだ。
戻ってきた貴方に言われた最初の一言は、『おはよう』だった。
上着とバッグと帽子を外して、キッチンへ向かう。
私は小さな声でしか返せなかった。

しばらくその場から動けない私に、ご飯を食べたか聞いてきた。
前日の昼からまともに食べていなかったので、ううん、と答えると、
まともなご飯じゃないけれど、サラダを食べるか聞かれた。
作って。。。くれるのか?
『少しだけ。。。』と言う私に、やっと貴方は視線を向けた。
話し方は意外と、自然な普段の会話のテンションに近かった。


手伝おうかとも思ったけど、手際もいいので見つめているだけにした。
正直、お腹も頭もまだ痛かったから。
貴方も私を呼んだり、話しかけたりはしない。
ずっと私に背を向ける格好で、料理していた。
包丁を軽快なリズムで扱う。
その背中は久々にまじまじと見た貴方で、
こんなにもしっかりと広い背中だったか疑ってしまった。
見たこと無い暖かそうな服は、私の好みの素材で、
しがみつきたかったけど、振り払われるのが怖かった。
しばらく立って見つめていたけど、
感情が体を支えきれなくて、崩れてしまった。
貴方に見えないように、ふすまの裏に隠れた。
言葉を切り出すチャンスなのに、私は何をためらうのだろう。

見つめたり、隠れたりを繰り返していた。
多分そんな変な行動をしてる私が、視界には入っていたんだろうけど。

少しして、料理の途中に私に暖かい紅茶を出してくれた。
白いカップから漂う淡い湯気。
私の好きな、アップルティーだ。
カップを両手で支え、猫舌の自分の為に冷ます。
熱が広がる。
心まで温まる気分で、優しさに触れた気がした。

味わいながら、相変わらず会話も無く、外の景色を見つめていたら、
貴方が私の目の前に丼皿を2つ置いた。
前に2人で買いに行った、パステル調の黄緑のだった。
レタスを敷き、トマトを並べる貴方の手は近い。
一瞬存分に見つめ、この手に今まで愛されてきたことを思い出してしまった。
触れたくなってしまって、こらえる為にその場から逃げた。


何となく音が静まったので、行ってみると料理が出来ていた。
貴方は赤ワインを飲むようで、コップに注いであった。
このコップも2人で買いに行った物。お揃いの片割れ。
私に手渡しで箸をくれた。さっきの手だ。
『座らないの?』と促され、席に着く。
いつものように一緒にいただきますは言えなかった。

食べながら、ぽつぽつと他愛の無い話をする。
1人でなければ、こんなにもちゃんと飯を食えるものなのだ。
外は本当に気持ちよく晴れていて、不覚にも出かけたくなってしまった。

いつも貴方は食べ終わるのが早い。
そして落ち着いてから、椅子に座ったままベランダに体を向けて、
窓枠に足をかけてタバコをゆっくりと吸い出した。
私もまもなく食べ終わり、貴方の箱から『ちょうだい』とねだってタバコをもらった。
窓枠と貴方の体との狭い隙間を通って、
私はベランダに出て向かいあうように吸い始めた。
冷たい表情をしていた。
日差しが、背中を暖める。
ふと視線を変えると、私の右横に虫の死骸らしきものが転がっていた。
虫全般嫌いなので、怖々と顔を近付けていくと、
貴方は物音を立てて私を脅かした。
そしてしらんぷり。
何度かそれを繰り返して、貴方は笑った。
掃除してしまおうと、ティッシュをもらおうとする。
1枚だけ引き抜いて渡そうとした貴方は、また笑っている。
私をからかって、笑っているのだ。

嬉しくてたまらなくて、幸せだった。

この後、貴方は片付けまで全部してくれた。



会話は変わらず特に無かった。
お互い、何を切り出すわけでもない。

腕立てなどをしていた貴方に、聞いた。
『このプレゼント、いらないの?』
冷たく、どっちでも。別にいらないし。と言われてしまった。
さすがに悲しくてムカついて、了承を得て、私の手で開ける事にした。
そして無理やり羽織らせた。
ニットジャケット?は趣味じゃないらしい。
持ってなさそうだ。でも着たらきっと似合うのに。と思ってあげたけど、
こてんぱんに言われてしまった。
悲しくて、捨てるくらいなら売った方がいいよ、と言っておいた。
ベストも批判されてしまった。
こっちの方が使えそうだ、とは言ってたけど。

これで大して好きでも無い相手に言われていたら、きっと私は切れてるんでしょう。



風呂に入ろうと思って、その前に貴方に聞いてみた。

『私のこと、ホントに嫌いなんだよね?』
『うん。』
『そっか。。。でもさ、私が死んじゃうから、別れないんでしょ?
 死なないって判れば、スパッと切るの?』
『。。。そうだね。』
『じゃぁもし、私が別れたら死んじゃうとして、
 その状態で誰かを好きになったら、貴方は二股する事になるの?』
『何で?』
『何でって。。。こっちが聞きたいんだけど。』
『俺はもう誰の事も好きにならないし、信じない。だからそんなことにはならないんだよ。』
『そう。。。
 じゃぁ、私が他の人と会ったり、ヤったりするのはダメなの?
 それで別れる事になったりするの?』
『何で?』
『私だって人間だから、そうゆう欲はある。でも貴方は私にしてくれない。
 だったら他の人に求めるしかないじゃない。
 それに、嫌いな人間なんだから、何をしてても生きてれば別にいいんでしょ?』
『そうだね。好きにしなよ。』

こんな感じだった気がする。


一緒にお風呂に入っている間も、特に会話は無かった。
ああ、都合がいいから俺がいいんだろみたいなこと聞かれた気がするけど、
条件だとかもっといい人はこの世にたくさんいると。
それだけが欲しくて付き合うなら、別に貴方じゃなくていいけど、
そうじゃないから、好きで一緒に居るんだよ。と言った気がする。


結局まともな話し合いだとか言い合いなんかすることも無く、
そのまま寝ることになってしまった。

寝てから少し経って、貴方と少しやらしい事をしたのは、
私が浮気をほのめかしたから、というのは考え過ぎなのだろうか。
少なくとも嫌いな人間と、こんなことしない。
そこでもそう思ってしまった私は、相変わらずバカだと思うことにした。



今、きっと彼は仕事に追い込まれていて、壊れ始めている。
そうだとしたら救ってあげたいけど、
表面上でわかったような事は言ってあげたくない。
私が力になれることは無いのかな。
居なくなることが、一番いいことなのかな?

ただ、今日の貴方を見ていると、
辛くても甘えられなくて、苦しい感じもあった気がする。
今、私が必要無いだけで、この後はわからない。
人間だから、どんなに人を嫌いになっても寂しく感じたり、
誰かを好きになってしまったりするんだ。
そう、それならきっと、貴方は私を好きにすらならなかったはずだから。

ふらふら気持ちが安定しなくて、
時に流されてしまう少し前の貴方を知っているから、
私は完全に嫌われたと納得出来ないんだ。

今冷たくされても、とても傷付いて絶望してしまうけど。

私は簡単に居なくなったりしちゃいけない。
やっと見つけた貴方を、大事にしたい。

よく知り合いに、何でそんなに冷たくされて耐えられるんだ、とか、
私だったら無理とか、何考えてるかわからないとか言われるけど、
自分でも不思議なくらいなんだよ。
きっと今までの人たちに同じ事されたら、
さっさと別な所に行ってるんだと思う。

私は蝶だから。

そして、貴方は薔薇だ。

蝶が花に惹かれるなんて、当然じゃないか。


出来る事なら、貴方と手を繋ぎたい。
笑いあって、触れ合って、交わって。
産むなら貴方の子供がいい。

存分に私に甘えてくれたらいいのに。
もう一度言う。
私は簡単に貴方を見捨てたりはしない。

もう好きになったり、愛することが出来ないなら、
昔の好きで居てくれた貴方を思い出します。
今は私の目の前に居てくれれば、それだけで幸せだから。

思い込みが激しい性格だから、また間違って解釈してそうで怖いんだけどさ。

私の知ってる限りの貴方なら、こうなんじゃないかって思ったんだ。


私はずっと、貴方が好きなんだよ。きっと。


この世の限り。(中編)

※この話は中編です。前編を読んでからご覧下さい。




別れると私が死んでしまうから、別れない。
(今、私に恋愛感情は無い)
要するに、私が『別れても死なない』と分かれば、高確率で別れるかも知れない。
しかし貴方は、私に別れや(死を考えてしまうような)不安を与える『嫌い』と言う言葉を告げた。
『別れても死なない』確認すらしていないにも関わらず、
容易に想像出来る私の考えを無視して気持ちを伝えた。
本当に死なれても困ると思っているなら、そんな発言出来もしないはずだ。

むしろ、私から離れていく事は無いと解っているんじゃないか?
だからそんな事言えるんじゃないか?


付き合い始めに、軽々しい気持ちで『死にたい』と言った私を、
胸倉を掴んで貴方は本気で怒った。
そして私は、元カノが幾度と無く同じような事をしているのも知っていた。
それに苦しんで、心配していた貴方も見ていた。
同じような思いをさせて、貴方の顔を、頭を歪ませたくない。
私が居る事で、笑ってくれたらいいのに。
安心して、眠る事が出来ればいいのに、と願っていた。

私が居る事で、貴方の世界を少しでも彩る事が出来たら、と。

幸せに浸って、それを見失っていたのは私だ。

あの日、本気で死にたいとは思った。
言ってはいけない事だとわかっていながら、
それでもなお、思ってしまうくらい辛くて、
追い詰められてる事を分かって欲しかった。
でも貴方の気持ちを聞く前に、気持ちを伝える前に、死ねなかった。
そして、帰ってきた貴方を見て、話して、
自分の都合が大半だけど、やっぱりまだ一緒に居たいと思ってしまったんだ。

駅まで送ってくれた車の中で私の頭を撫でてくれた手は、
魔法使いの手に一瞬戻ったかと錯覚する程優しかった。
もう2度と会えない、あの魔法使い。
あれは貴方が姫にくれた、愛の一部だ。
頑張って、作り出してくれた、具現化された愛だ。


色々考えたいこんな時に限って、私の頭は拒否反応を起こす。
普段は思い出したい事すら出てこなかったり、曖昧なくせに、
断片ながらもはっきりと映像付きで思い出す貴方との時間。

一緒に料理を作ったり、その最中に抱きしめられたり、
フライパンを振る貴方の横に居る私や、そこでキスしたこと。
明け方、車の中でボーっとしながら、想いや考えについて語り合ったこと。
運転中に手を繋ぎながら、照れあってデートしたこと。
2人で見た、境界線の無い夜の海や、
赤レンガ付近で散歩しながら見つめた風景と貴方。
寝る時間を犠牲にしてまでエヴァを全編一緒に見たり、
付き合ってる事を悟られないように、
店員と客の距離感のまま、うちの店に遊びに来てくれたり。
幾度と無く、私を迎えに来てくれたり、送ってくれたこと。
一緒にいくつかのショッピングモールにも行った。
コールドストーンアイスを食べたり、貴方の好きなコーヒーを飲んだりね。
車のHDDには、私が乗るようになってから曲も大分増えた。
貴方が車を買ってから、一番助手席に乗っているのは、きっと私なんだろう。
甘いものやチョコが嫌いな貴方が、ロールちゃんを教えてくれたね。
指輪も、ネックレスも、タバコもお揃い。
2本並んだ色違いの歯ブラシは、今2代目だ。
貴方に愛された時間の、天井と部屋の明るさと、貴方の表情。
眩しくて頭がおかしく成る程、毎日幸せを感じていた。

そして何より、スリーピングビューティーな寝顔と、微笑みが頭を埋め尽くす。

それらは過去で、今で。
思い返して、随分貴方の無理の上で成り立っていた事だと改めて気付いた。
綺麗に見えるものが多いのも、きっとそのせいだ。



そんな貴方は、今矛盾しているように思える。
電話で『好きでも嫌いだとしても、知ってる人間が死ぬのは気分が良くない』と言っていた。
おかしいのかも知れないけど、私はそうは思わない。
元は仲が良かった(ようにしていた?)友達を、今は嫌いになっているけど、
関わった時間がそれなりにあっても、私は今彼女らが死んだと聞いても何も感じないだろう。
だって嫌いなんだから。関心のない相手だから。
嫌いだと思っていなくても、
極端な話、よく見かけていた芸能人が死んだというニュースが流れても、
事実を知ってぐちゃぐちゃに泣いたりはしないだろう。

つまり、私の感情だけで言うなら、
気分が良くない=嫌いではないという事になるのだ。


しかも、嫌いならもっと酷い対応だって出来る。
電話だって自分でわざわざかけ直してくる必要も無い。
自分から電話を切ったのなら、
その後すぐにかけ直した私からの電話も、無視して出る必要は無い。

その電話で私は、『次会えるのがいつなのかわかったら教えて欲しい』と言った。
すると『わからない』と言われた。
不安になって『もう会えないの?』と聞くと、
『部屋に荷物あるから、取りに来るでしょ?』と貴方は答えた。
必要最低限の行動時でないと、会えないところまで来たようだ。

私は彼の家の合鍵を持っている。
部屋に置いてある私の荷物も、たくさんある。
でも、本当に嫌いなら、私の実家を知っている彼なら勝手に返しに来る事だって出来る。
他にも、荷物を送ってしまう事だって出来る。
住所は知っているかは忘れてしまったけど、知らなければ私に聞けばいい。
荷物をまとめるという手間があるから、それをしないのかもしれないけど、
手段は色々あるものだ。

他にも判断しかねることがしばしばある。
都合良く捉えてるだけかも知れないけど、
どうしても、私のことを嫌いになったと思えないのだ。


よなりーと話して行き着いた結論は、
私を無視して、自分の事しか考えていないということ。
そして、まだ気持ちが不安定で、
私を本当に嫌いかわからないということだった。

部屋を出る気配の最後の最後で、
ただ静かに考えて泣いてしまった。
目の前で壊れなくて良かったとも思えた。


外は思いの外寒くて、冷えた車内でタバコを吸いながら、実家に送ってもらった。
こんなに友達に身勝手に甘えたのは初めてかもしれない。
一緒に居てくれた事に感謝し、申し訳なさも感じ、
弱さを判れる関係を嬉しく思えた。
似た感覚を持てる相手はそうは居ない。

最後まで心配してくれた。
この日、会えて本当に良かった。




家に着くと、弟が居た。
少し会話をすると、食事もしていないようだった。
本来なら私が用意しなければいけなかったけど、
自分で適当に食べてくれるというので甘えてしまった。
ブラコンだと感じる時もあるけれど、
根が優しい弟に、私の姉弟として存在することを感謝している。

個々の時間が流れる。
夜勤の貴方が家に着く前に、私は居ようと思った。
朝早くの電車に乗らなくちゃ。
携帯で調べておく。
大分早めに来ておいて、食事の支度でもしておこうか。
いや、そんな気力無いんだ。
第一、私が作った料理なんか、もう食べてくれないかも知れないのだから。

わざと、いつもの時間を過ごそうとする。
漫画を数冊読んで、携帯のアラームをかけて寝た。
願わくば、悪夢を見ないで済むようにと。



4時間程経っただろうか。一応目を覚ました。
結局寝たようであまり寝ていない。
夢こそ見ていないものの、何度かぼんやりと起きてしまったから。

『行ければいい』というスタンスで、格好も気にせず支度した。
弟はまだ寝ていて、物音で起こさないように気遣ってみた。
頭がぼやけている。
全部、嘘だったらいいのに。



後編に続く。


この世の限り。(前編)

2010年 11月3日。

今日は、貴方に『嫌い』と言われた次の日です。



この間家を出て行く時にキスを拒まれ、
私に見せた作った笑顔を不安に感じた。
嫌な予感は当たるものだ。
もっと早く気付くべきだったんだ。


その日、新都心のホームで、私は激しい動悸に襲われた。
翌日会いに行こうとした私に、勘弁して欲しいと切り出す。
他人行儀に面倒臭そうに話す貴方に、はっきりと言われた。
別れると私が死んでしまうから別れない。
死ぬ時に遺書を書こうとしたから、そこに貴方の事を書かれたり、
関わっていた事実から、仕事に支障を与えて欲しくない。
誰も今、好きな人なんか居ない。
そして私が嫌いになった。
あの日、本当に気持ちが離れた、と。

仕事場に着くからと言われ、電話を切った。
別れない、別れ話だった。



すぐによなりーに電話をして、助けを請う。
会う事になった。

電車はすぐ来る。
3つドアのラインの前に立ち、線路を眺める。
砂利の上に冷たそうに這っていた。
その周りに雑草が、点々と生えている。
『ここに飛び込んだら痛いんだろうな。。。』
そう思った瞬間、電車が左から入ってきた。
本気で死のうとしたわけではないが、吸い込まれそうになったのは事実。
頭が麻痺して、そこに居る実感も、現実に居る実感も無かった。

大半がスーツ姿の男性が居る車内は、
ラッシュ時手前ということもあり、少し混んでいた。
携帯を見つめ、よなりーに着時間の連絡をした。
それから、貴方にメールをした。(原文まま)

『出勤前の忙しい時間にごめんなさい。


早くはっきり言ってくれれば良かったのに。。。


私は、あなたに笑ってて欲しかった。


そんなあなたのそばに居たいと思った。


私を永らえさせる為に別れないとするなら、ずっと別れないってことになるよ。


私は、どんなことがあってもあなたを見捨てたりしない。

あなたを看取るのは、私だから。


嫌いな人間をも利用するのがあなたなら、もっと私を使ったらどうですか?


一方的なことばかりだけど。。。

こんな話、機械でするもんじゃない。



明日、悪いけど多分行きます。

ちゃんと会ってください。

お願いします。』


くらくらした頭で、意識を保つのに精一杯だった。
吊り革が、私の全てを支えてるような気分だ。
考える→泣く→こらえる。
繰り返していたら、待ち合わせの地元の駅に着いた。



よなりーはまだ来ていなかった。
しかし、急に呼び出したのに、すぐに駆けつけてくれるなんて本当にありがたい。

階段近くの柱に寄りかかって、ロータリーを見つめていた。

連絡が来て、まもなく落ち合う。
力無く歩いて、車に乗り込んだ。
『どうしよう。。。嫌いって言われた。。。』
来てくれてありがとう。
そう告げる前に、気持ちを吐き出してしまった。
こらえていた涙が少し滲んだ。
同時に、崩れるように抱きついてしまった。
心配そうな声で語りかけながら、私を抱きとめてくれた。

ロータリーに車を停めたまま、私はその場で話し始めた。
自分を責める言い方も、貴方を責める言い方もした。
訳がわからない、という結論も出た。

そして、私の世界が終わる予感と、昔の自分に戻る気がした。

一通り話していたら、少し落ち着いて、
人様の迷惑になる(往来のある所)ということに気付いた。
移動しよう、と提案すると、カラオケに連れて行ってくれた。
個室だし、泣いても大丈夫だからって。



この間、ハロウィンパーティーしたシダックス。
偶然にもその時と同じ部屋に案内された。

フロントでの作った(表向けの)私を解除して、また語り始めた。
よなりーと一緒に話しているうちに、わからなくなってきた。
タバコの煙が漂う部屋で、複雑な想いを整理しようとした。
隣から、HIPHOPのビートが洩れる。


中編に続く。

モーニングコール。

さっき、久々王子から携帯が来て起きてしまったあせる
朝6時半前なんですが\(^o^)/

超寝ぼけて出たら、無言だった…


もしや、彼女が探り入れてる最中だったか?
やべーょ…朝から穏やかじゃないょダウン




ま、そんな話もそこそこに。
相変わらず、弱りつつあるまぁです。



何か、ちょっと今やさぐれ気分。
もぅいぃや。

どーせ私は重いだけ。
邪魔になったら冷たくされて、捨てられるだけ。

心配してるふり。
誰もわかってくれない。
私の暗いとこなんか誰も見ようとしない。


ずっとずっと、わかってたことなのに。
変に期待するからバカを見たんだ。


身体も心もしんどいよ。
だったら閉じればいい。

そしていつもいつも、誰かその時いる人の前で、自分を作ればいい。
私とも誰とも言い難いキャラクターを。




以前…今の彼氏と付き合う前に親しかった頃、よくお互いで『さらっちゃいたい・さらわれたい』の話をしてた。

今もその気持ちは変わらない。


私にその価値はもう無いのだろうか…

一気。

久々にこんな時間まで漫画一気読みしてしまいました…あせる


おはようございます(?)まぁです。

久々の携帯からの更新なので、ちゃんと出来てるか不安ですがダウン



彼氏とは、少し落ち着きましたひらめき電球

前と比べたら頻度は低いし、連絡もあまり取ってないけど…
会った時に疲れがバリバリに出てても、そんな中私と会ってくれるんだ…と幸せを感じてしまったりにひひ


普段はやっぱ寂しいけど、目の前に居る時に笑ってくれたりとか、
ちょっと遅くまで起きててくれるのも嬉しい

迷惑なのかもしれないけど、邪険にされてないのは自惚れてしまいますあせる

ちょっとは会って喜んでくれてるのかなぁって…



ただ、ラブぃ漫画読んだりとか、ラブぃ歌聴いたりするとやっぱ切ない!!


想ってくれてるのは伝わるけど…
ぎゅってされたり、好きとか言われたくなってしまぅからガーン

欲張りだドンッ


ワガママなのわかってるから、面と向かっては絶対言えないDASH!


また、手を繋ぎながらデートしたぃなぁ…

愛しそうに微笑まれて、姫って呼ばれたいなぁ…


今は『彼女』って立場すら曖昧に感じざるを得ないから、余計に。

私はそう思いたいけど、彼氏はどう思ってるんだろう…?

ウザいこと言って、さらに遠ざけられたりするのも嫌だから、怖くて言えないんだ。



思い出して、考えて、
こんなにも胸が苦しい。


まるで、何度も恋してる気分だ。


数年ぶりですね。

4年ぶり。。。ですかね?
月日が経つのはホントに早いです。
お久しぶりです、まぁです(・∀・)ノ


数日分、過去の日記を読み返してみましたが。。。
恥の嵐ですねw前編とか言ってる割に、後編無いし(-"-;A


あれから色んな事がありました。


Sさんの出来事の後、私は新しいバイトを始めました。
今もその会社で働いていて、つい最近まで店長でした。
販売員として、仕事をする者として、私を変えてくれた人がいます。
その人が居なかったら、ここにだらだら綴っていた頃と私は変わってなかったかもしれません。
そんなこんなで今もバイトですが、前よりは安定してるんじゃないでしょうか?^^
仕事の話と、変えてくれた人の話はまた別な機会に書けたらと思います。



あと、このブログに一番書いていた彼氏(ひろ)。。。
彼とは2年前に別れて、今彼には新しい家庭があります。
もぅ結婚してから1年は経つのかな?
基本的には連絡取ってません。
たまーーーーに連絡来るぐらい。
奥さんの目を盗んで私に連絡してくれるので、そうそう滅多に。。。ねぇ。

子供だった私(今もだけどw)の世界と感情を広げてくれたのは彼です。
別れも微妙な感じになってしまったけど、2人で過ごせた時間は、
今も私の中に色濃く残ってます。
出会えてホントに良かった人です。ありがとう。



ひろと別れてから、1つ年下の男の子とも付き合いました。
1年半ぐらいかな。。。?知り合ってから2年だった気が。

彼は当時大学生。私は店長なりたてくらい。
今思い出すと、ナンパ。。。されたようなもんかな?w
私の職場の近くに住んでたりして、ホントにだらだら色々遊んだ!
サッカーとHIP HOPが好きで、お互いカラオケとSOUL'd OUTが好きで^^
でっかくて優しくてちょっとチャラ男で、寝るのが大好きで頭の回転が良くて。
見た目で怖そうに見られがちだけど、実はピュアでナイーブで。ちょっと坊ちゃま。
引きこもりとオタクの要素も持ち合わせてたなぁw一緒www
彼の全開の笑顔と、楽しそうにしてる姿が大好きでした^^

結果的に、私に好きな人が出来て、いっぱい話して別れましたけどね。
お互い無理しすぎたし、それをお互いにアピールして、求めすぎた。
嫌な感情になるべく蓋をして、楽しく過ごす事を第一に考えてた。
今ならそれが間違ってたと思える。
いいとこも弱いとこも、お互い出し切れなかった。
でも、初めてまともに話し合いが出来る彼氏で良かった^^
私と根気良く向き合ってくれて、ありがとう。

今彼は就職して、社会人1年目として商社で頑張ってます。(そのはず)
先日、私の職場(ショップ)の前を、女の子と楽しそうに手を繋いで歩いてました。
色んな可能性を持てる子なんだと思います。
私と居た時より、笑える時間が増える事を望んでます。



そして今、私は新しい彼氏と付き合ってます。
正直、自信を持って『付き合ってる』って言える状態でも無いんだけど。。。(ノДT)
元々私の働くショップに来てた、お客様です。
私が体調崩してた日にたまたま来て、助けてくれたのがきっかけ^^
昔からある、妙な私の直感が当たった感じですね。
『この人と何かある気がする。。。』ってやつ。
久しぶりに、人と真剣に向き合いたいと、大事に出来たらと思ってる。

また詳しい話はちょこちょこ出てくると思うけど、
とりあえず今はかなりマズい感じ。
私が蒔いた種だとは思うけど、毎日心がおかしくなりそう。
いつ捨てられるか、いつ終わってしまうか、怯えてる感じ。
すでに何度か『別れたい』って言われてるのに、縋ってるのだ。

私がもっと自分の感情をコントロール出来たら。
彼の望む行動が出来たら。

自分の発する言葉が、こんなに怖いものだと思わなかった。
相手と話すことだけじゃなくて、しゃべるのさえ、怖いと思えた。
いっそ酷くされたほうがいいのか?とも思ったけど、
一歩間違えたら全部無くなりそうで。。。

大好きだし、そばに居たいし、笑って欲しいし、愛されたい。
そのために今私が出来るのが、何も言わずに離れる事だとしたら、
だったら少しでも派手に散りたいと思う。

ま、修復出来るのが1番いいことなんだけどね^^

元カノだとか、他に女が出来て。。。ってのが、今回の最悪のシナリオ。
それだけは嘘を吐かれても避けたい。



相変わらず私は、大人になりきれない大人。
何をしていいのかわからない、判断ミスばかり引き起こしつつ生きてます^^;
最近は『ごめんなさい』が口癖になってる気がします。
ごめんなさい。


結局近況報告みたいなことを書きつつ、愚痴っぽい駄文になってしまいました。。。

もう少しだけ。希望を持っていたいと思う。

ペアグラス、前編。

酒を飲んでも酔えない。
体質的に弱い、赤ワインを飲んでも全然平気だった。
こんな時だから飲んで酔ってでもしてしまいたいのに。。。

さて、少々暗いテンションですが、この1ヶ月間について少し書こうと思います。
結果だけ先に述べると、彼氏と復活しました。
それなのにどこか晴れないこの気持ち。。。なぜか。
私の中で彼氏と別に、ある1人の男性(仮にSさん)が関わっていたからです。

私はその人を好きになってしまったのです。


Sさんは。。。私の人生の倍を生きてます。
少し前まではお子さんも居る、家庭を持ってました。
(別にまぁが別れさせたんじゃないですよwww)
今は1人で暮らしていて、家でお仕事をなさってます。
私達が知り合ったきっかけは別館ブログ関係のバイト。
彼は私のお客様でした。
プライベートで連絡を取り合ったり、会ったりするのに、そう時間はかかりませんでした。
元々年齢など気にしない私は、彼の人柄にひどく惹かれていって、
彼もまた。。。私を気に入ってくれて。
(『付き合えたらな~』みたいな事も何度か言われました)
時期的にも丁度彼氏との事について考えていた頃(9月入ったあたり)だったので、
1人でどんどんのめりこんでいってしまったんです。

そんなある日。
彼氏にも報告済みで、Sさんの家に遊びに行きました。
朝早くから行ったので、夕方ぐらいには帰る予定でいたんですが、
私の悪い癖がここで出て。。。
彼氏に伝えていた時間よりも遅くなってしまうことに。
そしたら(色々なやり取り後)結局彼氏が高速飛ばして迎えに来て(;´Д`A ```
ってか、3人でファミレスで話し合いみたいになってしまって。。。
大した内容じゃないんだけど、長々と話しました。
彼氏は、とりあえず冷静なフリしてるけど言ってる事めちゃくちゃ。
Sさんは、『俺が居なくなれば。。。』的な発言や、落ち着いた様子。
そんな中私はパニック!!(割とずっと黙ってたけど)
彼氏の勝手な言い分や嫌なトコについても言い争ったし、
Sさんに対してはとにかく身を引いて欲しくなくて必死で。。。
挙句私は何を血迷ったのか、『2人ともと別れる!』と涙ぐんだりして。
もー頭ん中ぐちゃぐちゃですよ。。。
自分が引き起こした事態なのに、バカみたい。

どんな風にしてその場が終わったのかよく覚えてないんだけど、
結局私は彼氏と一緒に帰る事に。
Sさんはファミレスから徒歩って帰っていって。。。
私達は車に乗り込もうとして。
でもその時、何だかSさんと2度と会えないような気がしてしまって、
私はSさんを追いかけてしまった。。。
彼の後ろ姿をヒールを鳴らして走って追って、『待って!』って腕を掴んだ。
振り返った彼は、涙ぐんでいたように見えた。。。
心を掴まれた気がした。。。切なくなった。
まさか、そんな風に帰ってるとは思ってなかったから。
何て声をかけていいかわからなかったけど、
迷ってる間に彼氏の車が横付けされてしまった。
とりあえず『また連絡するから』と伝え、私は彼氏の車に乗り込んだ。

帰りの車中で、彼氏は驚くほど穏やかでした。。。
今思うと、疲れ果ててたのかもしれないけれど。
私をひどく責める事もなく、そのまま彼氏の家に着いてしまいました。
その時点でもぅ夜中。日付も変わってたりして。
少ししたら彼氏は仕事に行かなくてはいけなくて、
寝ないように私と少し話をして、そのうち仕事に行ってしまいました。
徹夜でトラック運転させるなんて酷い女だ。。。と思いつつ、
私は泣き疲れて寝てしまった。。。
どんなに辛くても悲しくても、寝る事が出来る私は鈍感で、
どこまでいっても身勝手だと思った。


その週末、私は彼氏に1ヶ月の時間をもらった。
彼氏についても、Sさんについても考えたくて。
そのことを伝えると、彼氏は『死ぬ』と言い出した。
今回ばかりは冗談に思えなくて、私は必死に止めた。
『私がひろのとこに戻ろうって思った時に、
ひろが居なかったらどうにもならないよ。。。』

ずるいが、私はそうやって彼を引き止めてしまった。
実家に帰った次の日、
彼氏から『死のうとしたけど、やめた』というような内容のメールがきていた。

卑怯な私はそうやって、1ヶ月間逃げ始めたのだ。


続く。
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